社会的な考え方としてワークライフバランスを重視することが求められるようになった。IT企業においてもエンジニアが健全に働けるようにしつつ、仕事の生産性を高め、さらに満足度を高められるようにしようと様々な施策を行うようになってきた。全体として働きやすい待遇が整えられているのは確かであり、私生活に十分に時間を確保できるようになっていることが多い。
しかし、エンジニアが働く上ではワークライフバランスを重視するための制度が仇になってしまって苦労することもよくある。残業ゼロの職場を作るのはワークライフバランスを考える上で大切にされている点だろう。
それが理想的なのは確かだが、エンジニアにとっては苦労の原因になることが多い。必ず定時までに仕事を終えなければならない状況を作り上げられてしまっているため、時間のかかる作業を翌日に回すという判断をしなければならないことも少なくない。それどころか、その日のうちに仕上げなければならない場合には残業ができない以上はサービスで働かざるを得ないということすらあるのが実情である。
一方、フレックスタイム制度や時短勤務制度が導入されていると、勤務時間帯であっても同僚がいないということは珍しくない。重要なときに相談すべき同僚がいなくて仕事が滞ってしまうということもしばしばあるため、ワークライフバランスが重視されていることにより苦労も絶えないのである。どのような施策が取られているかはよく考えた上で職場を選ぶのが重要と言える。